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猫の後ろ足が動かない⁉ 血栓症?【獣医師が解説】

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大塚駅前どうぶつ病院 心臓メディカルクリニックの院長 堀と申します。突然、猫ちゃんの後ろ足が動かくなったり、麻痺して引きずって歩いていたら心配ですよね?今回は猫の後ろ足が突然動かなくなった時やびっこを引いている時に、緊急性の有無を判断するポイントを解説します。

 

突然の後肢麻痺はなぜ起こる?

私たち獣医師が最も多く経験する原因としては血栓症が挙げられます。しかし、後肢を引きずったり、後肢に力が入らないなどの症状には脊髄神経の疾患や骨格筋の障害、関節疾患など様々な原因が考えられます。

血栓症

関節や骨の異常

脊髄神経の異常

筋肉の異常

 

血栓症に伴う後肢麻痺の特徴とは?

以下のような症状がみられる場合には急いで来院してください。

突然発症し、激しい痛みを伴い猫が興奮している

罹患肢に力が入らず跛行している。または、両後肢に力が入らずアザラシのように後肢を引きずっている。

罹患肢が冷たく、肉球の色が青ざめている。

心不全を併発している場合には、呼吸困難(開口呼吸や激しい呼吸)がみられる

上記のような血栓症の症状が一つでも当てはまる場合には、精密検査を行い、原因を特定することで適切な治療を行う必要があります。血栓症の原因と検査・治療について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

血栓症の原因とは?

血栓は様々な基礎疾患によって形成されますが、心筋症に続発するケースが主な要因となっています。この他にも以下の様に様々な原因が考えられます。

  • 心不全(主に心筋症)
  • 貧血
  • 低蛋白血症
  • 副腎疾患
  • 腫瘍性疾患
  • 脱水

 

急いで来院すべきですか?

急いで動物病院を受診する必要があります。
重度な血栓症の場合は3日以内に命を落とすことがあり、救命できても罹患肢の麻痺など重度な後遺症の残ることがあります。治療開始が早いほど重症化を防ぎ、後遺症を軽減できる可能性があります。

当院では一般的な対症療法だけではなく、血栓溶解療法や血栓除去手術(詳しくはこちら)などを必要に応じてご提案しています。

猫ちゃんの後肢麻痺でお困りの際は、当院へ気軽にお問い合わせください。
ご相談だけでも受け付けています(電話相談は行っておりませんのでご了承ください)。

 

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Author

院長 獣医師 獣医循環器学会認定医 アジア獣医内科専門医(循環器)

Director D.V.M., Ph.D.Yasutomo HORI

プロフィール

2001年
北里大学獣医畜産学部獣医学科 卒業
2001年4月-
2005年3月
小儀動物病院 勤務
2005年
北里大学獣医畜産学部小動物第3内科 助手
2007年
北里大学獣医学部小動物第3内科 助教
日本獣医循環器学会認定医 取得
2009年
博士(獣医学)取得
2010年
北里大学獣医学部小動物第2内科 講師
2015年
北里大学獣医学部小動物第2内科 准教授
2016年
酪農学園大学伴侶動物内科学IIユニット准教授・循環器科診療科長
2020年
大塚駅前どうぶつ病院 心臓メディカルクリニック 院長
2021年
アジア獣医内科専門医(循環器) 取得

役職

  • 日本獣医循環器学会 理事(2017年~)
  • さっぽろ獣医師会 理事(2019年~2020年)
  • どうぶつ検査センター株式会社 アドバイザー(2020年~)
  • VMN コンサルタント(2020年〜)
  • 動物臨床医学会 循環器分科会企画実行委員 (2024年~)

所属学会

  • 日本獣医循環器学会

大学教員として、犬や猫の心臓病および心不全の診断・治療に関する研究に数多く携わってきました。
また、獣医師向けの各種セミナーで講師を務めるほか、獣医関連の雑誌や書籍の執筆にも精力的に取り組んでいます。
これまでの経験を活かし、飼い主様と動物に寄り添う獣医療を提供いたします。

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