内視鏡による検査・治療

消化器内視鏡

消化器内視鏡は先端にカメラの付いた太さ約1㎝チューブを体内に挿入し、モニターを確認しながら食道、胃・十二指腸、結腸などの消化管の粘膜表面を目視下で観察する検査法です。また、特殊な器具を操作することで、胃腸粘膜の一部を採取して病理検査したり、胃内異物を除去したり、小さな患部を切除する治療も行えます。

内視鏡のメリット

内視鏡の最大のメリットは消化管を内部から観察でき、開腹手術よりも体への負担が少なく検査や治療を実施できる点にあります。特に、若齢犬猫に多い異物誤飲の場合は開腹手術だと手術時間が長く、さらに2-3日の入院が必要となりますが、内視鏡だと日帰りで治療を行えます。このため胃の中に異物が留まっている場合には開腹手術となる前に、内視鏡治療を推奨しています。
また、慢性的に嘔吐や下痢を繰り返す場合には、内視鏡で胃腸粘膜を観察したり胃腸の一部を採取したりすることで、体にメスを入れずに検査を受けられます。このため、体力の低下している症例や高齢動物の場合には開腹手術による病理検査に比べて安全性が高く、術後の合併症のリスクが低く、体力の回復も早いという多くの利点があります

消化器内視鏡検査で発見できる病気

  • 食道の疾患:食道炎 / 食道狭窄 / 食道拡張 /異物 / 腫瘍
  • 胃の疾患:胃炎 / 胃ポリープ / 胃がん / 胃内異物
  • 十二指腸の疾患:十二指腸のリンパ管拡張症、炎症性腸疾患 / がん
  • 大腸の疾患: 炎症性結直腸ポリープ / 大腸がん /潰瘍性大腸炎

消化器内視鏡の適応症

  • 慢性の食欲廃絶
  • 慢性の嘔吐
  • 慢性の下痢・血便
  • 異物を誤食した場合(胃内に異物がある場合のみ)

嘔吐や下痢などの症状が出た場合は、身体検査、血液検査、糞便検査、レントゲン検査、超音波検査、バリウム検査など必要に応じた検査をご案内しております。各種検査結果や対症療法などで改善が認められない場合は、内視鏡検査へのステップアップをご提案させて頂きます。

呼吸器内視鏡

呼吸器内視鏡は先端にカメラの付いた太さ約1.6mmのチューブを気道に挿入し、モニターを確認しながら鼻腔、咽喉頭、気管・気管支などの呼吸器の粘膜表面を目視下で観察する検査です。

内視鏡のメリット

内視鏡の最大のメリットは気道を内部から観察でき、炎症や腫瘤、粘液貯留などレントゲン検査では解りにくい小さな病変を発見できることにあります。気道分泌物が貯留している場合には分泌物を採取し、培養検査や細胞検査をすることで咳や呼吸困難などの原因を解明・治療することができます。

呼吸器内視鏡検査で発見できる病気

  • 鼻腔内の疾患:慢性鼻炎 / ポリープ / 腫瘍 / 異物など
  • 咽喉頭の疾患:軟口蓋過長症 / 喉頭小嚢外反 / 喉頭麻痺 / 炎症 / 腫瘍 / 異物など
  • 気管・気管支の疾患:気管・気管支虚脱 / 腫瘍 / 異物 / 好酸球性肺炎 / 細菌性肺炎など

呼吸器内視鏡の適応症

  • 慢性の鼻汁、くしゃみ
  • 慢性の咳
  • 慢性的な呼吸困難

検査の流れ

  1. Step01事前予約

    検査は原則として事前予約をお願いいたします。
    ※誤食の場合は緊急処置を行います。

  2. Step02食事抜き

    検査前日の夜ご飯以降は食事を与えずにご来院ください。
    ※午前中にお預かりします。

  3. Step03血液検査

    検査時には全身麻酔を行う必要があるため、事前に血液検査を行います。

  4. Step04検査・処置

    検査・処置は麻酔導入後、30~60分ほどで終了いたします。

  5. Step05病理検査

    必要に応じて胃腸粘膜を採取して病理検査を行います。

  6. Step06安静

    検査後には、入院室で安静にして麻酔からの回復を待ちます。

  7. Step07帰宅

    全身状態が安定していることを確認したら、夕方にはご帰宅できます。

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