フィラリア予防
フィラリアとは
蚊が媒介するフィラリア症は、蚊に吸血される際に体内に侵入したフィラリア(犬糸状虫という寄生虫)の幼虫が犬や猫の血管の中で成長し、やがて成虫になって心臓や肺動脈に大きな障害を引き起こす病気です。犬に多く見られますが猫も感染します。重症になると死に至ることもある怖ろしい病気です。
主な症状
- 元気がなくなる
- 食欲が低下する
- お腹が膨れる
- 呼吸が苦しそうになる
- 咳がでる
- 重症では血尿やショック など
フィラリアの予防方法
フィラリア症は一度感染してしまうと危険な病気ですが、投薬するだけで安全に予防することが可能です。このお薬は、蚊から感染したフィラリア幼虫が心臓にたどり着くまでに駆除します
。お薬には内服薬、チュアブル、スポットタイプ、注射薬などがあるので飼い方や体質に合った予防法を選べます。
なお、予防期間は蚊が飛び始める4月頃から12月頃までをお薦めしています。毎年、予防を始める前には血液検査で感染の有無を確認する必要があります。室内で飼育されている場合でも蚊に刺されて感染することがあるので、確実な方法でしっかり予防してあげましょう。
ノミ・マダニ予防
駆除が必要な理由
ノミ・マダニはどうぶつに発赤や痒み、貧血、アレルギー性皮膚炎等の症状を引き起こすだけでなく、細菌や寄生虫の二次感染による激しい痒みや化膿、ひいては人へも被害(ノミ刺咬症、アレルギー等)を及ぼします。お散歩には行かなくても、ノミは室内に侵入してくることがあります。ノミ・マダニは屋内に棲み着くと季節を問わず活動・繁殖していきますので、現代の住宅環境では春・夏・秋だけでなく通年で予防を継続していただくことをおすすめします。お散歩に行かない猫ちゃんでも、ノミの寄生が認められています。
主な症状
- 発疹
- 赤い斑点
- 痒み
- 脱毛
- アレルギー性皮膚炎
- 貧血など
ノミ・マダニの予防方法
ノミ・マダニに寄生されると、皮膚病、栄養障害、バベシア症などの原因になります。人にも感染する恐れがあるため、事前に薬で予防することが大切です。予防薬としては、錠剤、スプレー、スポットオンタイプなどさまざまなタイプがあります。それぞれ成分や駆除効果などが異なるため、ワンちゃんや猫ちゃんの状態に応じて、最適なお薬のアドバイスをいたします。
また、ノミ・ダニ予防の製品は一般のホームセンターで売られていることもありますが、確実に予防するためには医薬品を使用するのがおすすめです。
ワクチン
ワクチン接種が必要な理由
さまざまな感染症を予防できるワクチンを組み合わせた混合ワクチンで、ワンちゃんネコちゃんを守りましょう。ワクチンを接種することで病気を予防でき、たとえかかったとしても重症化を防ぐことができます。子犬・子猫はワクチンプログラムをしっかり守って、病気に抵抗する免疫力を正しくつけていくことが大切です。
犬のワクチン
混合ワクチン
下記のような伝染病を予防するために行うのが混合ワクチンです。生後6~8週頃に初回接種を行います。当院では生まれた年は3回、それ以降は1年に1回のワクチン接種をおすすめしています。ワクチンの副反応が心配な方には抗体チェックがお勧めです。
- 犬ジステンパー
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬伝染性肝炎
- 犬パラインフルエンザ
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬コロナウイルス感染症
- 犬レプトスピラ感染症(黄疸出血型)
- 犬レプトスピラ感染症(カニコーラ型)
- 犬レプトスピラ感染症(グリッポチフォーサ型)
- 犬レプトスピラ感染症(ポモナ型)
狂犬病ワクチン
1950年に制定された狂犬病予防法により、生後3ヶ月以上のワンちゃんは狂犬病の予防注射を受けることが義務づけられています。
狂犬病は「人獣共通感染症」です。人間にも感染し、発症すると100パーセントの致死率となります。有効な治療法も確立されていません。
幸いなことに現代の日本では、近年狂犬病の発生例は報告されていません。しかし、諸外国ではいまだに発生していることから、ワンちゃんを飼っている方は必ずワクチンを打たなければなりません。接種会場は動物病院での「個別方式」と、行政区域各所で実施される「集合方式」とに分かれます。
猫のワクチン
混合ワクチン
下記のような伝染病を予防するために行うのが混合ワクチンです。生後6~8週頃に初回接種を行います。本院では猫も初年度は3回を推奨しています。それ以降は1年に1回のワクチン接種をおすすめしています。
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
健康診断
健康診断について
どうぶつは人の何倍ものスピードで年をとっていきます。病気の早期発見ということで考えると、3カ月の対応の遅れは1〜2年も放置していたのと同じことになります。どうぶつは具合が悪くても言葉にすることができないため、気付かないうちに進行する病気を見逃さないためには、7才以上のシニアになったら年に一度、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。
当院では健康診断として以下の取り組みを行っています。
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フィラリア検診(春)
フィラリア予防を始める前に検査をお薦めしています。
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血球検査・生化学検査(春)
貧血の有無や内臓の健康状態を検査します。
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心臓検診(秋)
心エコー図検査、胸部X線検査、血液検査を通して心臓病の早期発見を行います。
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眼科検診(適宜)
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その他
腹部検診、腎・泌尿器検診、歯科検診などを行っています。
ホームページでご案内いたしますので、ご確認ください。